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2016年10月21日 (金)

私とは誰か


"私"というものは何かと考えてみた。

少なくとも、身体だけではなく、心というものとセットで私だというのは誰の反論もうけないだろう。

この合気道をやっているからこそ私であることを意識しない私、

つまり、無意識の領域の私を切実に感じる。

そして、圧倒的にその無意識の領域の方が割合が大きく、身体自体は大方そちらに属することを実感する。

ここの合気道は、
想わざる技がでることを目標に稽古する。

意識的に攻撃することが、いかに相手に
察知されるかを学ぶ。

意識的な攻撃とは、すなわち私が相手に勝とうという意図で、合理的思考のもとに放たれる攻撃のこと。

それだと、すぐに相手にわかってしまう。

なので、それを凌駕するために、さらに力、スピード、反射神経、テクニックを駆使する工夫がおこなわれる。

強さの競争が、うまれる。

ここの合気道はその直前の領域で起こる、”あるもの”に対応する方法を教える。

つまり、無意識の領域で技が出るように稽古していく。


ここ何年か出版された脳科学の本になどに、脳の中には"私"に相当する箇所がないということが書かれているものがある。

これに関しては、何回もブログに書くくらい
自分の中では、画期的な意味を持つ。

脳の構成に関して、
私という部分がないならば、
パソコンのマザーボードの構成とそんなに変わらない。

つまり、構成の役割は、
インプット、アウトプット、メモリー、CPU
となる。

仮に私という概念を持たすなら、それらを統合するAIのようなソフトが必要になるということだ。

そして、そういうことに共鳴する話として、

よく耳にする禅の思想の無とは、

つまりは、
"私"というものは無いということを言っている。

科学の発達していない1000年以上も前に、瞑想を極めて、このことをわかっていたということだ。


つまり何が言いたいのかというと、


私とは、


在るけど無い。

無いけど在る


先ほどのパソコンと同様で、
ハードウェア的にはつまり実質的に、
"私"は無い。

何らかのソフト的なもので、統合され
"私"は存在する。

つまり、私とはバーチャルなもの。

細かく分析的に見ても無い。

でも、俯瞰して、全体的に観れば在る。


そういう私が、振り返って、リアルな自分の身体を見た時、自分の事なのに圧倒的に知らないことの方が多い。

知らないけど、、さも分かったかのように、様々な、仮説や物語を作っていろいろ理由付けする。

それでも確信できなくて、不安だから、より強化したい。

より外から知識を集めたいし、そうすれば補強できると考えている。

それでも、まだ不安は解消されない。

いまのほとんどの、格闘技や武道はそういう考え方でやっている。

そして、ここの合気道はその真逆のことをやっているということなのだ。

だから、"想わざる" なのだ。

それは、稽古のなかで無意識側にいることを模索していく。

具体的にはどうするのか、

同じ型稽古であっても、そういう不安の中に
身を置いていく。

常に、次に何が起こるかわからない状況でいるようにする。

そして、知らない事を受け入れる。

そういう稽古をつづける。

続けないとすぐに、いつものやかましい思考に引き戻されてしまう。

思考とは頭のなかの余計なおしゃべりのことをいう。

受け入れた時にのみ、静寂を感じることができる。


実際、正しいか正しくないかは別として、
途中で思考停止しないレベルの一貫性のある、矛盾のない
”私”とか、心とか、そういう構造というか考え方を理解すると、
ここの合気道はとても腑に落ちて、習得するのに役にたつ。


自分というものを知ろうとせずして、

つまり、自分とは何かという、答え無き問いを続けずにして、

ここの合気道の本質には近づけない。

最近そんな気がして仕方がない。

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